涼宮ハルヒの軌跡

提供: SOS団Miraheze支部
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涼宮ハルヒの軌跡(すずみやはるひのきせき、英:The tracks of Haruhi Suzumiya[1])とは、作者不詳の二次創作小説。涼宮ハルヒの微笑と並び、二次創作小説中でも最高傑作だという呼び声が高い。

概要

自らの願望実現能力に気付き、情報統合思念体にコンタクトをとった結果地球滅亡に至ってしまった世界の涼宮ハルヒが、世界を存続させるべく何度もやり直し、その結果があるいは現在のSOS団につながっていったのではないか、という仮説を提示する物語。「微笑」が後日談・完結編に相当するとしたら、「軌跡」はシリーズ全体の壮大なプロローグ的立ち位置だとも考えられる。

あらすじ

プロローグ

いつも通りの日常を過ごしていたキョンは、ある日異世界の涼宮ハルヒから呼び出される。このハルヒによると、能力を自覚した自分を情報統合思念体が何度も地球ごと排除しようとし、その度に世界をリセットしてやり直してきたハルヒにとって、キョンがいる世界がうまく行っていることが不思議だったのだという。それについて、キョンは自分の世界のハルヒが能力に気付いていないことを指摘するが、それを知ってハルヒはやがていつかその世界も滅びるだろうと考えて失望する。が、キョンは、まずはその世界を試さないかと提案し、ハルヒは渋々ながら、超能力者のいる世界、未来人のいる世界、そして長門有希と仲良くなれる世界を一つずつトライしていくことに同意する。但し、この時点では3勢力すべてそろえた世界を危険視し、そのような世界には同意はしなかった。

機関の決断

手始めにハルヒが作ったのは、古泉一樹のいる「機関」であった。古泉一樹が転校してくると、ハルヒはキョンと古泉の3人で仲良く昼休みを過ごすようになる。ハルヒたちはそのような日々が続くことを望むが、キョンのひょんな一言から機関内部の対立構造を知った朝倉涼子が、「機関」の強硬派を駆り立てて涼宮ハルヒを攻撃し、情報統合思念体は涼宮ハルヒがその能力を自覚していることに気付く。情報統合思念体としては地球を排除する予定であったが、「機関」の主流派がこれに反発し、交渉を試みた結果、ハルヒのいる北高周辺を核攻撃することでハルヒを抹殺し、世界を維持するという方向で話がまとまる。この過程でハルヒの影響を受けた古泉一樹が見捨てられることも決定され、激しい銃撃戦の末、ハルヒは世界のリセットを決断する。古泉と過ごせたわずかな時間が楽しかったことを認めつつ。

未来人たちの執着

「機関」と超能力者の存在する世界の構築に失敗したハルヒは、次に未来人のいる世界の構築を行う。この世界では原作世界と同じく、朝比奈みくる鶴屋さんと共に書道部に在籍しているが、ハルヒとキョンも同じ書道部に入部することに決める。また、話を知った谷口国木田も、書道部には美少女が多いことに目を付け、ついでに入部する。

ハルヒは保険として、2回だけ時間を2分間巻き戻すことのできる能力をキョンに付与する。その能力は、一度目は、目の前で交通事故に巻き込まれた男子生徒を救出することに使われた。だが、ハルヒはその使い方の軽率さを叱り、発動は世界のリセットが必要になりそうになった時に限るべきことを厳命する。一方、当初事故に巻き込まれずに助かった男子生徒は、一週間後に不運が重なった「事故」に巻き込まれて死亡する。

その後、ハルヒたち書道部員が全員で鶴屋家主宰の展覧会に向かう途中、大規模な玉突き事故が発生し、ハルヒとキョンは重傷を負う羽目となり、二回目の巻き戻しが発動される。ハルヒはその能力発動を必要なことと認めるが、リセットもせず、能力の再付与も行わなかった。

かくて、一度は生き延びた書道部員たちだったが、やがて一人、また一人と、不審な「事故」に巻き込まれて死亡する。重なり過ぎる偶然に不審さを感じたハルヒは、詳細を調べることを決意するが、その結果、下手人が朝比奈みくるであることを発見してしまう。

谷口国木田まで死亡したこと、そして鶴屋さんが一人みくるに対峙すべく向かっていることを知ったハルヒとキョンは、みくるの事情を聞かされる。彼らの殺害は、未来からの絶対命令であり、彼らが生きていると未来人と対立する形で「機関」が形成されてしまうが、彼らの詩によってその規模が縮小し、発足も遅れること、そして未来にとっては涼宮ハルヒが不可欠な人材であることを明かされる。

しかし、みくるは自らの任務に苦悩を抱えており、遂に自殺を図った。ハルヒは、そんなみくるを助けようとしたが、時すでに遅く、情報統合思念体が攻撃を開始。ハルヒは再び世界をリセットする。

情報統合思念体からの独立

情報統合思念体のヒューマノイドインターフェースとの接触をしたくなかったハルヒは、長門有希との関係性構築についてはキョンに優先的に行わせ、自身は「機関」等が存在しない世界において邪魔になる勢力の排除に徹する。

読書癖が身についていなかった長門は、キョンの教えにより読書することを覚え、文芸部に入部する。読書や、キョンとのかかわりを通じてキョンへの親近感を覚えるようになった長門は、情報操作により、地球消滅をもたらすようなハルヒのミスの隠蔽を図る。しかし、朝倉涼子にそれを察知され、キョンともども襲撃を受けることとなる。間一髪のところまで追いつめられたところで割って入ったのはハルヒで、苦戦しながらも、ハルヒは朝倉涼子の情報連結解除に成功する。

長門はこの情報でも明らかであるハルヒの自覚に関する情報を引き続き隠蔽することに同意し、遂にハルヒも長門とかかわり、仲良くなっていく。しかし、喜緑江美里ら他の情報統合思念体の端末はこれを快く思わず、長門は情報統合思念体に呼び出され、情報統合思念体から分断された普通の人間として生かされることとなった。が、この際、長門は隙をついて、涼宮ハルヒの情報操作能力を利用して情報統合思念体を丸ごと消滅させることを試みた。

その結果は消失事件と異なり失敗に終わり、長門は初期化され、情報統合思念体の排除行動も開始される。そして、失意のうちにハルヒは、再々リセットを行う。

SOS団

遂に、三勢力すべてが揃う必要性を認めたハルヒは、SOS団の結成を決意する。多くのことが原作通りの展開となって進んでいくが、ハルヒは時折ふと、団員がついてくるのは各勢力の思惑故であって、本当の仲間意識からではないのではないか、あるいはいつかこの仲間を失ってしまうのではないか、と考え、寂しげな表情をする。

期間中の原作にはない事件として、「機関」主流派と対立する勢力による孤島襲撃事件の発生が特筆される。これは、ハルヒが工夫することにより、ハルヒとキョンの二人だけで解決することに成功した。

また、仲間を失いたくないあまり、能力を自覚している以上エンドレスエイトを回避できるはずでありながら、ハルヒは10000回弱のループを重ねる。しかし、キョンに説得されて、ループからは脱出する。

ループ脱出後は順調に時を重ねたが、クリスマスが近づくと、長門有希が結局消失事件を発生させることを、ハルヒは予感する。ハルヒもキョンもそれを望んでいなかったが、やはり消失の改変事件は発生し、しかしながら未遂に終わり、情報統合思念体の排除行動を誘発した。長門による消失未遂事件の結果、これまでの一連のハルヒのリセット行為も情報統合思念体は察知し、ハルヒの自覚の有無と関係なく、ハルヒを最終的に抹殺することを決意する。しかし、ハルヒの脳内にバックアップとして情報連結されていた長門が交渉の末にこれを回避し、世界の再度のやり直しという結果を取り付けた。

ハルヒは、次の世界では無理に団員としてついてくる必要はないと話すが、団員は全員次の世界でも一緒になることを望む。そして、リセットが実行され、キョンはハルヒとキスした後、元の世界へと戻っていく。

エピローグ

最終リセットの末、元の世界に戻ってきたキョンは、今のSOS団が実は異世界ハルヒの作ったものなのではないかと少し考える。しかし一方で、自覚しているハルヒであればやらないことを自覚していないハルヒがやっていることなどを根拠に、そうではないかもしれない、と思い直す。いずれにせよ、元の世界では、元の世界のSOS団の日常が続いていく。

登場人物

原作との相違点を中心に説明する。

涼宮ハルヒ

自らの願望実現能力を3年前の情報爆発の時点で自覚している。情報統合思念体に接触しようとした結果地球を丸ごと消滅させられたことを恨み、情報統合思念体に対して極度の敵意を持っている。また、世界をリセットして何度もやり直し、うまく行くまでやり続けようとしてはいるが、その度にどこかで失敗し喪失感を味わっているため、遂にSOS団を結成した際には原作よりも素直に仲間意識を前面に出すと同時に、団員にも仲間意識を持って欲しいと願っている描写がなされている。

古泉一樹

「機関の決断」編において、情報統合思念体と結託して涼宮ハルヒと関係者の排除を決定した「機関」によって排除対象にされる。性格自体は原作とあまり変わりはないが、SOS団結成初期の段階では、「機関」のメンバーとしての意識の方が優先されている描写が挟まれている。

朝比奈みくる

「未来人たちの執着」編では、将来的に未来人と対立することとなる[2]「機関」の結成を遅らせ、そのダメージを緩和するべくアサシンエージェントとして活動し、谷口国木田鶴屋さんなどの抹殺を目論む。

長門有希

原作よりも積極的に情報統合思念体から自立しようとする。「情報統合思念体からの独立」編では、読書をきっかけに感情を芽生えさせ、涼宮ハルヒやキョンと一緒にい続けることを望み、涼宮ハルヒにとって不利になる観測データの隠蔽を行い続け、最終的には情報統合思念体そのものの抹殺を試みるが、失敗して初期化される。

「SOS団」編では、「消失」事件に相当する改変を行う直前に涼宮ハルヒの脳内にバックアップを情報連結させ、自らが情報統合思念体の望んでいる自律進化の可能性であることや情報統合思念体よりも涼宮ハルヒの側が有利であることを示唆して交渉、結果として涼宮ハルヒの抹殺の保留と、情報統合思念体が凍結させた世界の再リセット権を勝ち取る。

キョン

大きな変化はない。但し、力を自覚している涼宮ハルヒの世界では、一応「異世界人」の立場に該当することとなる点が相違する。また、「未来人たちの執着」編においてのみ、2回限りだけ時間をわずかに巻き戻す能力を涼宮ハルヒから付与される。

鶴屋さん

「未来人たちの執着」編では、機関の重要な創設メンバーとして抹殺対象にされる。原作では、鶴屋家はあくまでも間接的なスポンサーでしかない。

脚注

  1. 英訳は独自。
  2. 理由は涼宮ハルヒの自覚問題である可能性が高い。考察:涼宮ハルヒとTPDDの推測通りであれば、未来人はいつかは涼宮ハルヒの自覚を促す立場である(原作ではこの問題は禁則事項とされており、他の二つの勢力と異なり唯一明示的な自覚反対論が文中で表現されていない)一方、「機関」は、一生涯自覚なしのままの現状を維持したいと考えているからである。

外部リンク